多重スクロール
2013.09.08



gb130906_0.jpg

多重スクロールって知ってますか。

背景の前と後ろのスクロールスピードを変えて(前は早く、後ろは遅く)、2Dのゲーム画面を擬似的に立体的に見せる手法です。

ホンモノの3D表現であるポリゴン全盛の現在では「ナニソレ?」な技術かもしれませんが、80初期〜後期にかけて、多重スクロールってのはゲーム演出の超花形だったんですよ。少なくとも自分にとっては。



gb130906_1.jpg

スターソルジャー
ハドソン 1986
空中浮遊物と背景の星のスクロールをズラすことで立体感を表現。



僕が初めて多重スクロールというものを意識したのはファミコンの「スターソルジャー」でした。

これ、厳密には多重スクロールじゃないと思うんですが、前景の空中浮遊物の後ろに星に見立てたドットをゆっくりスクロールさせることでステージに高低差を生み出すことに成功してました。

もっともこの時は多重スクロールの仕組みなんて知らなかったし、立体感も些細なものだったのであまり気にはしてなかったです。



gb130906_2.jpg

源平討魔伝
ナムコ 1986
大きなオブジェクトが何重にも動く様は圧倒的だった。



僕が真の意味でカルチャーショックを受けたのは、ナムコのアーケード作品「源平討魔伝」見た時。

背景が2重にスクロールするだけでも当時は凄い技術だったろうに、源平討魔伝のソレは巨大な背景オブジェクトが2重にも3重にもガンガン動くんですからそれはもう軽いパニック状態。3DSを初めて見た感じに近かったです。イヤマジデ。

画面の奥に吸い込まれそうな立体感はホントすごくって、当時はモニターに特殊な3Dシステムが装備されてるんだろうと、本気で思ってました。



gb130906_3.jpg

ファンタジーゾーン
セガ 1986 NECアベニュー 1988
PCエンジンは背景が一枚なので手前のオブジェクトはスプライトで表現してると思われる。



多重スクロールの仕組みをちゃんと理解したのはPCエンジンのファンタジーゾーン購入後で、ステージ2を見たときに「アレっ?」と思ったんですよね。源平討魔伝と同じニオイがするって。

前述の通り僕はあの立体演出をモニターや筐体等のハードウェアで行っているモノと思ってたので、なんでウチのテレビでも立体的に見えるんだろうってすごい不思議で、それこそ食い入るようにファンタジーゾーンの2面を観察してました。

その正体がスクロールスピードのズレだと分かったときは目からウロコどころの騒ぎじゃなかったです。これを考えた人は天才だ!と。

この多重スクロールは基本的には背景グラフィックを2枚以上必要とする技なので、当時の家庭用ハードでは再現が難しく、どっちかというとアーケードの花形だったことも希少性というか、豪華なイメージがありましたね。

コンシューマに多重スクロールが本格的に導入されるのはメガドライブ以降なのですが、ファミコンやPCエンジンでもクリエイターの知恵と努力でけっこう色んなタイトルが多重スクロールしてました。

それはまた別の機会にってことで。


それでは今日はここまで。


gb130906_4.jpg

スターソルジャーは高橋名人のサイン入りです(自慢)
posted by Nakamura at 11:28 | コラム